小説家・重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキングを、5位までまとめてみました♪
中学受験を控えた子供さんは他にも勉強しないといけないことが、たくさんあると思うので、
「国語の勉強をするには重松清さんのこれさえ読んでおけば大丈夫(^^♪」
といった作品を5冊だけピックアップしています!
5冊も読めない!という場合でも、ランキング1位の『くちぶえ番長』だけでも読んでおきましょう♪
重松清のおすすめ子供向け小説ランキング1位『くちぶえ番長』
重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキングで、重松清さんが好きな小説好きの誰もが1位に推すのは、
- 『くちぶえ番長』
です。
『くちぶえ番長』は、重松清さんが小学校3~4年生の子向けに書いた小説です。
もともと、重松清さんは「読みやすい文章で、すっと胸に届く読後感」が特徴的で、大人向けの小説でも、子供が読める作家として有名です(^^♪
子供向けの小説の大家としての実力はピカイチで、たとえば、
- 『西の魔女が死んだ』の梨木香歩さん
- 『一瞬の風になれ』の佐藤多佳子さん
のお二人と合わせて、中学生に上がる前の子供さんにはぜひ読んでほしい作家さんの一人です。
重松清さんもそうですが、中学生になるまえ、中学受験という大事な時期に読んでほしい本というのは、
- 文章が読みやすい
- 質が高く大人が読んでもためになる
- 教養がつけられる
といった要素が不可欠です。
とくに重松清さんの本は、試験問題にも取り上げられるほど、文章がしっかりしていて、人の心の機微をつかむにはピッタリの小説が多いです♪
なので、小さな子供さんが読んでも、おもしろいしためになるのですね(^^♪
中学受験の前には『くちぶえ番長』だけでも読んでおこう♪
重松清さんのおすすめ子供向け小説の中で、中学受験の前に1冊だけ選ぶとすれば、この『くちぶえ番長』を強くオススメします。
子供向けの本は、正義が必ず勝つ!というような、勧善懲悪(かんぜんちょうあく)的な作品が多いのが現実です。
こういってしまうと少々聞こえが悪いかもしれませんが、学校の推薦図書に挙げられる作品には、「ストーリー構成が一辺倒で、登場人物の勝ち負けみたいな力関係がハッキリしている」ものが少なくないように感じます。
ですが、この重松清さんの『くちぶえ番長』は、転校してきた主人公の女の子・マコトの、ひょめん的な性格だけでなく、悲しい過去や、それを背負ったうえで、成長していく過程が優しく描かれています。
主人公の小学4年生の女の子・マコトは、転校した先の学校で、「わたしがこのクラスを牛耳る番長になる!」と宣言して、もう一人の男の子・ツヨシたちをびっくりさせてしまいます。
こんな始まりのストーリーだと、当然マコトがトラブルの中心になったり、いじめられたりしてしまうのではないか?と思ってしまいますよね?
でも、マコトがそういう行動をとるようになった背景には、
- マコトがもっと小さなころにお父さんを亡くしてしまったこと
- 友達思いで優しく、誰よりも友達のことを思って行動できる女の子であること
が物語のバックボーンにあるのです。
もともと、あまり強い少年ではなかったツヨシも、女の子・マコトの強さと優しさに影響されて、いじめの現場を見てみぬふりを決め込むだけでなく、立ち向かっていける成長物語にもなっています。
最近の子供たちのイジメ、スクールカーストともいわれる同じクラス内での人間関係の複雑さなどから、中学に上がって周りの子とうまくやっていけなくなって、不登校になってしまう子が少なくないそうです。
2017年の小・中学校の不登校の子どもの数は、14 万4031人にもなり、過去最多になっているとのこと。
今まででもっとも大変な学校時代をすごさなくてはならないともいえる、中学受験を控えたお子さんに、ぜひ重松清さんの『くちぶえ番長』は読んでいただきたい本ですね。
ただ単純に泣ける小説だけでなくて、深い人間性を見ることができると思います。
重松清のおすすめ子供向け小説ランキング2位『小学五年生』
重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキング2位としてご紹介したいのは、
- 『小学五年生』
です。
この本は17編の短編小説集なのですが、
- 中学入試の国語の受験問題に多数出題されたことがある
のです!
なので、国語の中学受験の問題に子供さんを慣れさせるという意味では、もっとも適しているかもしれません(^^♪
重松清さんの『小学五年生』のあらすじは、タイトルのとおり、小学5年生の子供たちのストーリーが17編集められています。
中学校に上がるまえの子供たちは、ときとして、すごく大人っぽいことを言ったりして、びっくりすることがありませんか?
また、そうかと思えば、急に小さなころに戻ったかのうように、聞き分けのないことを訴えて、僕たち大人を困らせてしまうこともあります。
そんな、子供と大人の境界にいるような『小学五年生』の子たちのリアルを感じさせられるような、物語になっています。
- 仲のいい友達がいきなり転校してしまう
- 親類の死の瞬間に立ち会う
- 異性への恋心に気づく
- 性への目覚めととまどい
- 友情とケンカなど、小学生ならではの人間関係
など、リアルな子供の感情をあざやかに描く作品群が『小学五年生』です(^^♪
重松清のおすすめ子供向け小説ランキング3位『ポニーテール』
重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキング3位は、
- 『ポニーテール』
です。
『ポニーテール』の物語の舞台は、再婚した父親と母親のそれぞれの連れ子の、
- 4年生のフミ
- 6年生のマキ
の二人を中心に進んでいきます。
おかっぱでくせっ毛の4年生のフミは、ポニーテールでちょっとぶっきらぼうな6年生のマキに、「おねえちゃん」と呼ぶのに、まだ緊張してします。
そんな『妹になったばかり』のフミに対して、『姉になったばかり』のマキは、
- 「シオカラトンボ」ってなんでそんな名前なの?と聞いたフミに、
- 「わたしが決めたわけじゃないから知らない」と答えたあとに、
- 「夕方になると色が変わるんだよ、あのトンボ」と、ウソだけどなんとなく教えてくれる
といった微妙な距離感から、だんだん『本物の家族』に近づいていく過程をゆっくりと暖かく描いていく作品です。
個人的には、小学4年生の妹のフミが、姉のマキのさらさらな黒髪のポニーテールに憧れているのが、なんとも女の子っぽくて、かわいらしいな、と思いましたね♪
最近の結婚したカップルは、3組に1組が離婚している、というデータが出ているくらい、離婚もめずらしくない時代になりました。
僕が小学校の頃(15年くらい前)は、お父さんがいない、またはお母さんがいない家庭って、かなりめずらしかったと思います(;一_一)
でもいまでは、『ポニーテール』に描かれたような家庭が増えてくるかもしれませんね。
「離婚・再婚もめずらしくないし、どんないきさつで成立した家族でも、共通の思い出を少しずつ作っていけば、お互いを家族と思えるときがきっとくる」
といった、ある意味では救いの手のような作品にもなっているのが、重松清さんの『ポニーテール』だと思います♪
家庭環境の複雑さで悩んでいるような子なら、ぜひ読ませてあげるといいのではないでしょうか・・?
重松清のおすすめ子供向け小説ランキング4位『きみの町で』
重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキング4位は、
- 『きみの町で』
です。
この作品は、ちょっと重松清さんのおすすめ小説のなかでは、一風変わっているかもしれません。
あまりおすすめ子供向け小説としても、取り上げられる機会が少ないように感じます。
ですが、重松清さんのおすすめ子供向け小説としては、
- 考える機会を与えてくれる良質な物語
として、とても優秀な作品だと僕は思います。
この『きみの町で』は、『こども哲学』というシリーズもののオマケとして書かれた短編をまとめたものです。
「考える機会を与えてくれる良質な物語」と紹介しましたが、
- 善悪(いいことと悪いこと)の違いって何だろう?
- 自分の気持ちって何だろう?
- 自分自身って誰だろう?
などといった、大人でもちょっと答えを出すのに一瞬とまどってしまうテーマを、子供の目線・それぞれの登場人物の気持ちに寄り添って、丁寧に書かれているのが特徴的です♪
さらに、『きみの町で』が素敵だな、と思ったのは、
- それぞれのテーマにちゃんとした結論が(わざと)書かれていない
ということです。
つまり、登場人物たちの意見・気持ちを読みながら、「じゃあ自分ならどう考えるか、どんな答えを出すのか」を想像させられてしまうところにあるのが、『きみの町で』のよいところでしょう。
今の時代は、小学生の頃からスマホやパソコンで、インターネットを利用できるので、「検索して答え」を見つけるのが当たり前になっている、と感じます。
「検索して情報を見つけること」も立派なスキルですし、大人たちでさえ日常的に問題解決に使っています。
たとえば、
- 今日の晩御飯の献立
- 新しい取引先に行く道順・ルート
- エクセルシートで操作方法がわからないとき
- 大切な人へのプレゼントでどんなものがいいのか?
など、検索して答えを出すということが、当たり前になっているともいえます。
ですが、検索するまえに、自分の頭で考えて、答えを導きだすのも大切なことだと思います。
世の中、検索すれば答えがわかる問題ばかりではありません。
中学受験を控えた子供さんたちにも、柔軟な思考で答えを出すことの大切さを、『きみの町で』で養ってもらえると嬉しいですね♪
重松清のおすすめ子供向け小説ランキング5位『きよしこ』
重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキング5位は、
- 『きよしこ』
です。
『きよしこ』の主人公・きよしは、吃音者(きつおんしゃ=どもったりして、うまく話すことができない)です。
うまく話せない体験が重なって、自分の気持ちをうまく口に出せないことで、苦しく感じることが多かったきよしですが、あるとき、「きよしこ」という存在に出会います。
この「きよしこ」がどんな存在なのかは、本編を読んでもらうまで内緒ですが・・。
この「きよしこ」に出会えたおかげで、きよしは、友達や家族にうまく自分の気持ちを伝えられなかった自分から、少しずつ自分の気持ちを伝えていけるように、前向きになっていける過程が描かれています。
この『きよしこ』は、とてもリアルで、うまく話せないことがどういうことなのか、自分の気持ちを素直に表せないことがどれほどきついことなのかが、正確に表現されています。
これは、作者の重松清さん自身が吃音傾向があって、カ行の発音が上手にできなくて、話し始めるときには、カ行から始まる言葉をなるべく使わないようにしたり工夫して生活していたそうです。
清(きよし)という自分の下の名前も、人前で言うときは恥ずかしかったそう。
なので、この『きよしこ』は、重松清さんの自伝的な意味合いも含めた本だと言われています。
重松清さんのおすすめ子供向け小説プラス、優れた作品群を書いている作者のことが気になる大人の方が読んでも、感じるところがたくさんある小説だといえるでしょう♪
重松清のプロフィール
【重松 清 (しげまつ きよし)】
(画像引用元:http://otonto.jp/?p=16075)
ペンネーム:田村 章(たむら あきら)、岡田 幸四郎(おかだ こうしろう)
生年月日:1963年3月6日)
出身地:岡山県津山市
職業:小説家
最終学歴:早稲田大学教育学部国語国文学科
小説家デビュー:1991年代表作:
『エイジ』(1999年)
『ビタミンF』(2000年)
『十字架』(2009年)主な受賞歴:
坪田譲治文学賞(1999年)
山本周五郎賞(1999年)
直木三十五賞(2001年)
吉川英治文学賞(2010年)デビュー作:『ビフォア・ラン』(1991年)
備考:既婚(子供2人)
まとめ:重松清のおすすめ子供向け小説ランキング!中学受験の前に読みたい5冊
重松清さんのおすすめ子供向け小説ランキング、中学受験の前に読みたい5冊をまとめてみました。
中学受験ももちろん大切ですが、子供さんには、まず本好きになってもらうことが大切だと思います♪
それには、むずかしい本をいきなり読ませるよりも、まずは本を読むことを好きになってもらうことを意識して、本を選んであげるとよいでしょう。
本好きな、学ぶことが好きな子供に育ってくれるといいですね!
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